しかし,屋根が老朽化してあとn年で壊れてしまいます.
大工の腕が良かったのか,屋根以外は永久に壊れそうにありません.
新しい屋根はp円しますがm年持ちます.
さて,あなたのマイホームの屋根にはいくらの価値があるでしょうか?
ただし,金利は年率100r% (r > 0)で,金利も新しい屋根の値段も未来永劫変わらないと仮定します.
物の価値を計算することも投資には重要です.
ということで今日はこの簡単な問題を考えます.
価値計算ではComparison Principleというものが重要になってきます.
はい,そうですね!
いくらか分からない物を,すでに値段が付いている同等な効果を持つ物と比較して価値を決めようってことです!
上の問題の場合,価値の分からないボロい屋根と新しい屋根を比較します~
家は永久に壊れないので,屋根も永久に交換し続けてあげなければなりません.
もしm年ごとに新しい屋根に交換するとしたら,
この先必要な屋根代の総額は
\begin{aligned}
C_{\text{new}} &= p + \frac{p}{(1+r)^m} + \frac{p}{(1+r)^{2m}} + \cdots\\
&= \frac{ (1+r)^m }{ (1+r)^m - 1 } \cdot p
\end{aligned}
となります.
(預金しておけば,m年後にはお金が(1+r)m倍になることに注意してください!
これはPresent Value (PV)の考え方です.)
同様に,マイホームの屋根の値段をxとすれば,
この屋根をn年ごとに買い換えるのに要する総額は
C_{\text{old}} = \frac{ (1+r)^n }{ (1+r)^n - 1 } \cdot x
となります.
これら2つの価値が等しいとおき,xについて解くと,
マイホームの屋根の値段を次のように査定できます!
x = \frac{ (1+r)^n - 1 }{ (1+r)^m - 1 } (1+r)^{m-n} \cdot p
たとえば,屋根がn = 5年で壊れ,
新しい屋根はp = 2,000,000円でm = 20年持ち,
金利が5% (r = 0.05)とすれば,
x = 694,820円ということになります~
まあ実際はボロい屋根なんだから価値としてはCold < Cnewとなるべきな気もしますが(^_^;)
今日勉強した話は簡単でした~
より難しいプライシングも勉強していきたいと思います(^^)
参考文献
David G. Luenberger, Investment Science, Oxford University Press, New York, 1998.
0 件のコメント:
コメントを投稿