1期間モデルを考えましょう.
つまり,ポートフォリオを組んだ後,しばらくして決済するってことです.
今n 種類の資産からなるポートフォリオ
w = (w_1, w_2, \dots, w_n)^T
を持ってます.これから考える問題は…
このポートフォリオのリターンとリスクを評価する問題です(^^)
さて,まずはリターンから考えましょう.
資産 i の1期間後の値上がり率をri とします.
もしri < 1 ならそれは値下がりしたってことです…
もちろん値上がり率なんて「神のみぞ知る」ですから
不確定さを表現するために確率変数としてモデル化します.
このとき,ポートフォリオによる収益は1期間後に
\begin{aligned} s &= w_1 r_1 + w_2 r_2 + \dots + w_n r_n \\
&= w^T r, \\ r &= (r_1, r_2, \dots, r_n)^T \end{aligned}
になります.ここで,s はw が比による表現なら収益率を表し,
金額による表現ならいくら儲かったかを表しますね~
これがリターンです.
数学的にはユークリッド内積であらわせます.
期待されるリターンはもちろん
\mathbb{E}[s] = w^T \mathbb{E}[r]
になります.あ,ベクトルの期待値は各成分ごとの期待値です…念のため.
この期待されるリターンはいったいどれくらいの
「不確かさ」を含んでいるのでしょうか?
これがすなわち「リスク」であり,分散で表現します.
資産iと資産j の共分散が σij の時
期待リターンの分散は次のようになりますね:
\begin{aligned}
\sigma^2 &= \mathbb{E} [ (s - \mathbb{E}[s])^2 ] \\
&= w^T \mathbb{E} [ (r - \mathbb{E}[r]) (r - \mathbb{E}[r])^T ] w \\
&= w^T \varSigma w
\end{aligned}
ここで Σ は共分散行列で ij成分が σijの行列です.この2次形式で表わされる量がポートフォリオの分散,すなわちリスクになります.
ポートフォリオの最適化では基本的にはこれら2つの量,
期待リターンとリスクを最適化する模様です!!
今日のまとめ: ポートフォリオ w の期待リターンとリスクはそれぞれ
\begin{aligned} s &= w^T \overline{r} ; \\ \sigma^2 &= w^T \varSigma w \end{aligned}
である.ここで,\overline{r}, \ \varSigma
はそれぞれリターンの期待値ベクトルと共分散行列である.だんだん最適化っぽくなってきましたね!
それではまた~(^^)/
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