2009年5月28日木曜日

シャープレシオと一般化レイリー商の関係…

前回はシャープレシオとその最大化の意味について考えました
そこで今日はその最大化問題を考えましょう

まず,シャープレシオを思い出しましょう
w : ポートフォリオベクトル
rp, σp : ポートフォリオのリターンの平均と標準偏差
ra, Σ : 各資産の期待リターンベクトルと共分散行列
rf : リスクフリーレート
とすると

\theta(w) = \frac{r_p - r_f}{\sigma_p} = \frac{r_a^T w - r_f}{\sqrt{w^T \varSigma w}}
= \frac{r^T w}{\sqrt{w^T \varSigma w}}
となりますね
ここで w の成分和は1として,rra の各成分からrf を引いたもの,つまり r の第i成分はr[i] = ra[i] - rf とおくことで最後の等号を得ました

つまり,解くべき最適化問題は

\begin{aligned}
\text{maximize} &\quad \theta(w) = \frac{r^T w}{\sqrt{w^T \varSigma w}} \\
\text{subject to} &\quad \sum_i w_i = \boldsymbol{1}^T w = 1
\end{aligned}
ということです!
ここで1は成分がすべて1のベクトルです.

さて,以前に一般化レイリー章の最大化問題を考えましたが
なんとなくシャープレシオ θ の関数形と似ていますね~(@_@;)

そうです.
実はシャープレシオの二乗は

\theta^2(w) = \frac{ w^T r r^T w }{w^T \varSigma w}
になるので, θ2無制約で最大化する問題は
一般化レイリー商最大化問題となります(+_+)

しかし,そうです,お気づきのように…

  1. w は成分を足したら1になるという制約付き

  2. θ は負の値も取り得るので単に二乗を最大化してもダメ


なのです(>_<)

従って残念ながら以前の議論はあてはめることができませんです
ぉぃぉぃ


そうなってくると別の方法を考えなければなりませんね(:_;)
以前の苦労は水の泡ってわけです~(^^)

そもそも関数は非線形の難しい形をしていますし
制約はコンパクトでないので最大値があるのかすら怪しい…
となってくると一般解が閉じた形で書けるのかと不安になりますね
(閉じた形とはw = ほげほげと書けるということです)

でもできちゃったもんね(*^^)v
ここ数日更新が滞っていたのは考えていたためであります

次回からはこの解を求めていきたいと思うわけですが
一般化レイリー章の最大化問題で使った
「内積を都合良く定める作戦」が役立ちます
解は意外と綺麗な形をしてますよ~☆

さて,今日はこのあたりでお別れしたいと思います.
問題の解法をやったあとは実データでポートフォリオの構成
にもチャレンジしてみたいとおもいまする!

そんでは!
(@^^)/~~~

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