2009年5月19日火曜日

シャープレシオとその最大化について

前回はポートフォリオのリターンとリスクを勉強しました.
今日は最適化指標の一つである
シャープレシオ (Sharp ratio) を最適化する問題を考えます!

ようやく投資を考えてる雰囲気がでてきました~(*^_^*)

まずは復習ですが、ポートフォリオ w のリターンとリスクは
期待値と分散によって考えました.
ご存じの通り,分散は単位としては2乗になってしまうので,
今日はルートを取って標準偏差を考えます.

早速ですが,シャープレシオは
リターンの期待値と標準偏差を用いて
次のように定義されます:

\theta(w) = \frac{r_p - r_f}{\sigma_p} = \frac{ w^T \overline{r} - r_f}{ \sqrt{w^T \varSigma w} }
ここで rfはリスクフリーレートと呼ばれるもので,
国債のリターンとか銀行の金利とか安全に
獲得できる資産の収益率です.

巷ではこの数字が大きいファンドが良いとされていますが,
それはなぜでしょうか?
以下それを考察します.

今,安全資産とポートフォリオ w から組成された危険資産を組み合わせて作った資産を考えましょう.
つまり,安全資産とこの危険資産を α:(1-α)の比率で持ちます.
(簡単のため 0 ≤ α ≤ 1 としましょう)
この時の期待リターンは当然

r_\alpha = \alpha r_f + (1 - \alpha) r_p
になります.標準偏差(リスク)は

\sigma_\alpha = (1 - \alpha) \sigma_p
になります.

パラメータ α を色々動かすことで
リスクとリターンをコントロールできることがわかると思います.
ここが肝心なところです!

今,シャープレシオ θ1と θ2 を持つ
2つのファンドがあったとします.
ただし θ1 > θ2としましょう.
上の議論から安全資産と適当に組み合わせてリスクとリターンをコントロール
することができますね.
そこでリスクに対するリターンをグラフにしてみます.
横軸に標準偏差,縦軸にリターンをとると図のようになります.

このグラフの線上は,安全資産とファンドを上手く組み合わせて
実現可能なリスクとリターンの関係を表しています.
つまり α を動かしたときの点 (rα, σα)の軌跡です.
このグラフから明らかなように,
同じだけのリスクを取る(ある標準偏差を見る)とシャープが大きいほうが
リターンが大きいことがわかると思います.

同じリスクを取るならリターンが大きいほうが良い

あたりまえですね(>_<)
これに反論する人はそうはいないと思います…

まとめ: 安全資産と危険資産を組み合わせて所望のリスクを実現するならば,危険資産のシャープが大きいほうが期待リターンを大きくできる.

ということでシャープを最大化するようにポートフォリオを組むことが
重要な問題となりますね!!

これが以前紹介した一般化レイリー商の問題になる模様です!
僕の友人はこういうことを考えていたんですね~さすが.
ようやく理解.

次回からはこいつを最大化する問題に取り組んでいきたいとおもいます!!
では~★

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